BizRobo! ブログRPAの開発や運用に役立つ情報を配信
・徹底解説医療機関の労働問題と解決策「RPA」を活用したダブル・タスク・シフティングとは?
・導入検討者必見 医療機関におけるRPA活用可能業務一覧
・医療機関へのRPA導入業務事例6選 年間114時間の余剰時間創出に成功した業務とは?
新型コロナウイルスの影響でテレワーク・リモートワークを導入するなど、日本の働き方は大きな変革の時を迎えています。
その中でも製薬業界や医療業界では、RPAを導入し業務プロセスを大きく改善することで大幅な働き方改革に成功している事例が出てきています。
・製薬業界や医療業界の抱える課題
・RPAとはそもそもどんなもので、何ができるのか
・製薬業界や医療業界での最新のRPA活用事例
について解説します。
※本ブログはWEBセミナー「製薬企業・医療機関におけるRPA最新活用事例」より一部内容を抽出・編集したものになります。完全版につきまして、ぜひこちらよりアーカイブ配信をお申し込みしていただき、ご視聴下さい。
製薬・医療業界の抱える課題
2021年1月時点、製薬業界や医療業界をはじめとする医療機関は様々な課題を抱えています。
医療機関における重要3課題
医師をはじめとした医療従事者の過重労働
病院勤務医師の長時間労働の現状は、実態調査に基づけば、1週間あたりの 平均で 61-66 時間であり、労働基準法に定められた週 40 時間を大幅に上回って いる。また、4人に1人は月に4回以上宿日直を行い、さらに、当直明けも連 続して通常の勤務を行っている。多くの勤務医師の職務が、深夜勤務を含む時 間外労働による拘束時間の長い勤務であり、精神的緊張を伴う業務であること を考慮するならば、その常態化は早急に改善されなければならない現状にある。
参照:病院勤務医師の長時間過重労働の 改善に向けて(日本学術会議 基礎医学委員会・健康・生活科学委員会合同パブリックヘルス科学分科会)
と医学委員会からの発表があるように、医師の過重労働は常態化しており、それに関連する業務を行う医療従事も労働時間の長時間化が見られます。
検査結果の見落としなど相次ぐ医療過誤
2020年10月兵庫県立病院では本来であれば発見されていたがんの診断結果を見落としていたことが相次いで判明するなど、医療過誤(医療事故のうち人為的ミスを原因として、医療従事者が注意を払い対策を講じていれば防ぐことができたケースのこと)の報告件数は年々増加しています。
参考:日本医療機能評価機構調べ 医療事故情報の報告件数と医療機関数(一部)
日本病院会が勤務医を対象に実施した全国調査では、医療事故からヒヤリハット事例を含む医療過誤の原因として、過剰な業務に伴う慢性疲労を あげた者が 71.3%であった
参照:病院勤務医師の長時間過重労働の 改善に向けて(日本学術会議 基礎医学委員会・健康・生活科学委員会合同パブリックヘルス科学分科会)
というヒアリング結果も出ており、過重労働を背景として医療過誤が起こっている状況が見られます。
厳しさを増す病院経営
日本の医療機関の経営状況は、2019年4月時点で全病院のうち約4割が赤字経営という状況でした。
出典:新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査
さらに新型コロナウィルスの影響で、全病院のうち赤字経営の病院の割合が約20%も増加するなど追い打ちをかけられている状況です。
今後も超高齢化に伴う医療費の抑制や人口減少の影響を受けることが予想されます。
病院経営を圧迫する大きな原因としては人件費と業務委託費が挙げられますが、これらのコストを単純に縮小させることは人材の流出や医療の質の低下に繋がりかねません。
現状の業務をより少ない人的リソースで行うための効率化や業務フローの転換が、病院をはじめとした医療業界の喫緊の課題となっています。
医療機関従事者が直面しているブラック労働
医療機関の抱える3つの課題の根本には、医療機関従事者の労働力の課題があります。
先ほども紹介したように、医療従事者の中でも特に労働力不足が懸念されている「医師」は
・1週間あたりの平均勤務時間は61-66時間
・4人に1人は月に4回以上宿日直
・当直明けも連続して通常の勤務
・多くの勤務医師の職務が深夜勤務を含む時間外労働による拘束時間の長い勤務
・精神的緊張を伴う業務を多く行う
といった状況にさらされていおり、これらが慢性化した結果
➀師の健康への悪影響
➁業務遂行能力の低下・医療ミスの誘発
③医師の病院離れ
④住民への良質で安全な医療供給を危うくする
という順序で問題が発生し、病院利用者に危険が及ぶレベルまでに至っています。
医療機関に求められる働き方改革 推奨されるタスク・シフティングと導入の進まない現状
医療従事者の労働力不足を解決するための働き方改革の手段として「タスク・シフティング」が厚生労働省から推奨されています。
厚生労働省も働き方改革に推奨 タスク・シフティングとは
タスク・シフティングとは、「医師が行う業務のうち、医師免許を保有していなくても実施可能な業務を他職種(薬剤師や看護師、臨床工学技士などの医療従事者)に移管すること」です。これには
・医師は「医師でなければ実施できない業務」に注力できる
・労働時間を分散できる
といったメリットがあり、医療従事者の過重労働化を抑えることが可能となります。
医師だけでなく、
薬物治療の専門家である薬剤師には、大幅なタスク・シフティングが可能だと考えられています。具体的には、医師等との協働によるプロトコールに基づいた投薬の実施、 多剤併用薬に対する処方提案、耐性菌が問題となる抗菌薬の治療コントロール処方提案など、薬剤に関連する様々な業務が候補とされています。
これらのタスク・シフティングが実現した場合、医療機関内では、医師の包括的指示と同意がある場合に薬剤師が主体的に業務を行えるようになります。
とのことで、タスク・シフティングが推進されれば薬剤師の裁量や対応可能業務が増え、医師の負担が軽減され医療業界全体の働き方改革に繋がることが予測されます。
なぜタスク・シフティングが進まないのか 医療業界の特徴
医療業界の働き方改革の肝となるタスク・シフティングですが
・医師以外のスタッフの業務負担が既に高く、医師から業務を引き受ける余地がない
・病棟ならまだしも、外来には現状医師事務作業補助者の配置が足りていない
・人材不足からタスク・シフティングのための処理が進められない
といった状況からなかなか導入が進んでいないのが現状です。
医師のタスク・シフティングを推進するには、医師の業務の引受先である事務職員や看護師等医療従事者の業務削減が不可欠です。
RPA活用で実現 製薬・医療業界の抱える課題の解決手段 ダブル・タスク・シフティング
➀医療業界の抱える課題を解決するためには医師の業務負担を減らさなければならない
➁医師の業務を他の医療従事者に移管するタスク・シフティングが必要不可欠
③しかし医師以外の医療従事者も既に業務負担量は限界
そういった状況を打破し医療業界の働き方改革を推進する手段としてにRPAを活用した「ダブル・タスク・シフティング」をご紹介します。
RPAを活用したダブル・タスク・シフティング 人とロボットの分業で実現する働き方改革
ダブル・タスク・シフティングとは、
「事務職員や看護師をはじめとした医療従事者の業務を、人間の業務をロボットで自動で行うRPAへと移籍し、医療従事者の業務負担を軽減。人的リソースの余裕を得た医療従事者へ医師からの業務をタスク・シフティングを行う。」
というものです。
医師の抱える業務の中にRPAでの処理が向いている業務があれば、直接医師の負担を軽減することも可能です。
そもそもRPAとは? 医療業界でも高い導入実績を持つRPAツール「BizRobo!」
定型業務を自動化するロボット RPA
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、「ロボットで業務プロセスを自動化することやそのツールの総称」のことで、「人間の代わりに働く労働者」という意味を込めて「デジタルレイバー」とも呼ばれます。
働き方改革やDX(デジタル・トランスフォーメーション)化推進の時流を受け2016年後半から国内市場において、高い注目を集めてきました。
例えば、請求書の情報をExcelに記入し精算ツールに転記する一連の業務フローや、指定のウェブサイトから特定の情報を取得して自動でリストにまとめる業務フローはRPAによって完全に自動化することが可能です。
RPAの導入し、人の代わりに、人よりも早く、人よりも正確に業務を代行する業務自動化ロボットを作成することで、年間数万時間の業務時間削減に成功している事例も多くあります。
サーバー型RPAツール「BizRobo!」
RPAツールは様々な製品があり、それぞれ特徴や得意なことが違います。WEBセミナー内で紹介されているRPAテクノロジーズ提供のRPAツール「BizRobo!」は他のRPAツールでも見られる
・アクションステップ方式で非システムエンジニアでも業務自動化ロボットを作成できる
という点に加えて
・サーバー型でたくさんの業務自動化ロボットをまとめて管理できる
・オブジェクト認識でエラーを起こしにくく安定的に稼働できる
・サンプルロボットやユーザーコミュニティなど、ロボット制作を手助けするサポートコンテンツ
が特徴で、2020年5月時点で国内2200社以上の企業で導入されている有名なRPAツールです。自治体や病院など公的な機関でも導入され、働き方改革推進の一端を担っています。
ダブル・タスク・シフティングによる3大効果 業務効率化以上の効能
RPAを活用したダブル・タスク・シフティングによって
・医療事務の効率化
・医療の質の向上
・経営改善支援
上記の3つの効果が見込めます。
これまで医療従事者が行っていた業務をRPAが代替することで労働生産性の向上やコストの削減が達成されるだけでなく、何時間でも正確に稼働し続けるRPAには疲労や不注意によるヒューマンエラーが発生しないため医療過誤の防止にも役立ちます。
さらにRPAは経費精算システムや勤怠管理システムのような各種システムサービスと連携を行うことでさらなる効率化が可能になるため、医療機関内のDX化推進にも貢献します。
医療機関におけるRPA活用可能業務 事務別から部門別まで
では医療機において、具体的にはどのような業務にRPAが適用できるのでしょうか
医療機関におけるRPA活用可能業務 ~事務別~
総務/人事業務
・共済・扶養関係書類の⾃動チェックおよび⾃動データ登録・部⾨別超過勤務時間の⾃動集計・作成
・給与⽇に財務会計システムからデータを⾃動抽出し⼈件費を計算、所定フォルダーに保存
・会議の開催通知、議事録送付等のメールによる⾃動処理
・新規採⽤者や退職者等の⼈事マスタの⾃動登録
経理業務
・業者から新規マスターデータを受け取り、院内物流システムの新規マスタへの⾃動登録
・財務会計システムからCSVデータを抽出して、収⽀簿作成ツールにデータを反映し、収⽀簿の⾃動作成
・契約書から⾃動で発注書作成、毎⽉の定例での債務計上の⾃動⼊⼒
経営管理業務
・財務会計システムからCSVデータを抽出して、収⽀簿作成ツールにデータを反映し、収⽀簿の⾃動作成
・⾃動で発注書作成、検収時の⾃動チェック、CSV請求書の⾃動取り込み
・旅⾏命令関連書類の⾃動印刷、⾃動チェック
・毎⽉の定例での債務計上の⾃動登録
医事業務
・⽉次、年次での患者統計の⾃動作成
・⼿術件数(施設基準の掲⽰に係る件数)の⾃動抽出
・⼊院基本料等充⾜状況の⾃動チェック⽀援
・後発医薬品使⽤率の⾃動算出⽀援
・重症度、医療・看護必要度︓短期滞在⼿術等対象患者の⾃動抽出⽀援
・未収⾦データの⾃動消込み
医療機関におけるRPA活用可能業務 ~部門別~
薬剤部
・医薬品情報に関するWeb情報収集・データ⾃動転記
・医薬品の発注オーダー、即卸し対応の⾃動処理
・レセプトのチェック、データ⾃動転記
※薬歴の⼊⼒等薬事法等に抵触しない範囲のみ可能
診察共有部
・検査結果のチェック漏れ防⽌の⾃動チェック
・レセプトのチェック、データ⾃動転記
・病院⾷献⽴と数量からの発注書⾃動⽣成
・その他PC上で⾏う業務全般
患者支援
・紹介状、逆紹介状の⾃動スキャニング、⾃動⽣成(スキャンニングに専⽤ソフトウェアが必要)
・患者カルテ開⽰要求によるカルテの⾃動印刷
・その他、PC上で⾏う様々な業務
看護部
・看護部⾨に関する各種経営情報の⾃動抽出・作成
・看護部⾨の領域別認定看護師・専⾨看護師情報の⾃動作成
・看護師⻑による出⽋状況や超過勤務時間等勤怠情報の⾃動チェック
・退院サマリや看護サマリ⼊⼒状況の⾃動チェック
・⼊院期間Ⅱを超える患者情報をベッドコントローラーへ通知の⾃動処理
・その他、看護師がPC上で⾏う様々な業務
※保健師助産師看護師法等に抵触しない範囲のみ可能
医療機関におけるRPA活用可能業務 実際の導入事例と効果
さらにRPAツール「BizRobo!」を導入している医療機関では、どのような業務を自動化し、どのような効果をあげているのでしょうか。
重症度、医療介護必要度の算出業務 年間114時間の余剰時間を創出
退院サマリ達成率の監視業務 入院単価増と担当医師の負担削減
診断結果を医師が確認しているかのモニタリング業務 患者情報検索スピードの向上と人為的ミスをゼロに
外来患者数など、各種月報の作成業務 担当者のムダな待ち時間を削減しモチベーション維持に成功
患者の在院日数の適正化業務 入院単価の向上と病床回転率の向上を実現
職員全員の超過勤務時間の集計業務 年間50時間の業務時間を短縮 職員別の超過勤務時間の可視化に成功し業務時間短縮案の立案に繋がる
最後に
・徹底解説医療機関の労働問題と解決策「RPA」を活用したダブル・タスク・シフティングとは?
・導入検討者必見 医療機関におけるRPA活用可能業務一覧
・医療機関へのRPA導入業務事例6選 年間114時間の余剰時間創出に成功した業務とは?
医療・製薬業界の抱える課題を働き方改革から解決する、RPAを活用した「ダブル・タスク・シフティング」の提案と、実際のRPA活用事例をご紹介しました。
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※本ブログはWEBセミナー「製薬企業・医療機関におけるRPA最新活用事例」より一部内容を抽出・編集したものになります。完全版につきまして、ぜひこちらよりアーカイブ配信をお申し込みしていただき、ご視聴下さい。
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