BizRobo! ブログRPAの開発や運用に役立つ情報を配信
リスキリングの目的として、DX人材の発掘をあげる企業も多い中、「全社員のITリテラシーの底上げ」を掲げるオリックス・ビジネスセンター沖縄株式会社様。DX人材育成支援サービス「DXpass」をどのように活用してその目的達成に向けた学習をされているのでしょうか。
活用方法や目指す組織像まで、幅広くお伺いしました。
企業・事業概要について
笠原:
まずは御社の事業と、德田様、宮平様のご経歴について教えてください。
德田様:
オリックスグループのシェアードサービスセンターとして、グループ各社の事務処理業務やお客さまのサポート業務などを受託しております。社員数は767名です(2023年1月1日時点)。女性が約9割を占めている会社です。
宮平様:
私は、2008年2月に中途入社で入社しました。入社してすぐにリース系のチームへ配属になり、6年ほど事務業務に携わりました。その後、金融系の保証業務のビジネスをしているチームに異動になり、そこでマネジャーとして業務に携わり、2020年9月に現在所属しているIT企画部業務改善・改革チームに異動しました。同部署は社内の業務改善を推進するための人材育成やRPA開発を行うチームで、チームのマネジメントを担っています。
德田様:
2012年10月に私も中途で入社をしました。初めは、リース系のオペレーション現場に配属され、約1年半従事しました。2014年に現在の総務部人事チームに異動しました。採用担当、人材育成担当、広報担当と、役割と業務の幅を広げながら、現在はチームのマネジメントを担っています。
笠原:
現在ご担当されている業務内容と、DXpassとの関わりについてもお聞かせください。
宮平様:
私の所属している部署はITツールを活用した社内の業務改善の推進がメインの業務です。
各チームに適用している約500ものRPA(Robotic Process Automation)・VBA(Visual Basic for Applications)の保守運用も担っています。
2021年上期からは、業務改善のPDCAサイクルのスピードアップを図るため、比較的難易度が低いツール作成や軽微な修正は各チームで実施できるよう、社内向けにRPAやVBAの研修も実施しています。
上記のような活動を行っている中で、弊社役員の平良が和田さんよりDXpassについてお伺いして、DXpassを全社員に展開してITリテラシーの底上げを図るための仕組みづくりに私と德田が参画するという流れで、DXpassに関与しています。
笠原:
サービスを導入いただくにあたり「DXpass実施事務局」を立ち上げられたそうですが、事務局の役割を教えていただけますか。
德田様:
事務局では、DXpassの導入にあたって研修の適用範囲を検討しました。理想はもちろん社員全員のITスキル底上げですが、一気に進めることは難しいため、まずはトライアルとして実施しました。
トライアルの実施に際して宮森さんと事務局メンバーで議論をしながら、どういう運用がいいのか仕組みを構築しながら進めてきました。
笠原:
導入時点での課題感をお伺いできますか?
宮平様:
大枠のカリキュラムをいただいていましたが、正直、動画コンテンツを視聴するだけではITの基礎知識は身につかないと感じました。受講する社員には学んだ内容を業務に生かしてもらうことが目的ですので、そこをどう改善するかの議論を重ねました。
私達が細かい要望をたくさんお伝えして、RPAテクノロジーズ様に見直してもらうという作業を繰り返しました。それこそテストの項目、出題方法、問題文の表現の一つ一つについても、細かくリクエストを出して微調整いただきました。
和田さんと宮森さんと議論を重ね、最終的には、動画の視聴→理解度チェックテストの実施→ワークショップの受講→実践ワークシートの提出という4つのステップになりました。
笠原:
今の形になるまでに、いろいろなアイディアやご協力をいただいていたのですね。
宮平様:
そう言っていただけると非常に嬉しいです。
宮森:
我々としても新規サービスのユーザー様として初期の段階から参画いただき、一緒にサービスを育ててくださったことにとても感謝しております。ありがとうございます。
初開催となるワークショップ
笠原:
ワークショップはどのような経緯で開催されたのでしょうか?
宮平様:
ワークショップはワークシート作成についての議論の際にふと、「そもそも、入社1、2年目の社員でも、業務フローは書けるものか?」という疑問を和田さんと宮森さんに投げかけた際に、希望者にワークショップを開催して、業務フローの書き方などをレクチャーするのはどうですか?とご提案をいただいたことがきっかけです。
ワークショップ開催に際して、自発的に参加しなければ学びは身にならないなと感じながらも、参加者が集まるかという懸念がありました。その心配は良い意味で裏切られ、当日はかなりの数の参加者が受講し、アンケート結果からもワークショップで学んだものが非常に意味のあるものだと感じました。本当に良いワークショップのご提案をいただいて、よかったと感じています。
笠原:
実際、ワークショップを経て、自主的に業務フローの可視化に取り組まれた方がいらっしゃるそうですが、部署や担当業務などで業務改善になにか特徴はありましたか?
宮平様:
例えばコール担当部門は、お客様 からいただいたお電話に対応して履歴を残すという業務なので、そこに改善目線を持てと言われてもやり方がわからないという声はありました。
対応そのものの業務改善は難しいですが、コールを受けた際に後続の事務作業が走っているはずなので、コール対応からスコープを少し広げて改善案を考えていただきました。
DXpassを通して、埋もれていた”芽のある”DX人材の発掘に成功
笠原:
現在、組織で抱えているDXの課題と、DXpassの導入の目的について改めて教えてください。
德田様:
社員一人一人のITリテラシーに差がある状態のままデジタル化を進めてしまうと、うまく適応できる社員とそうでない社員に溝が生まれてしまって、変化についていけない社員が退職に至るリスクが出てくることは課題として持っています。そうならないために、リスキリングも含め社員のITリテラシーを高めることは非常に重要なことと認識しています。
他にも、DXを通して業務がITツールに代替される中でも雇用を創出し続けることが会社として重要な責任になると考えています。同時に、業務を代替するツールを実際に動かしていくのが人であることに変わりはありません。そのため、社員に求められるスキルの変化に伴い、ITリテラシーを高めると同時に素養のある社員を業務に適応させることも今後の課題の一つです。
DXpass導入の1番の目的は社員のITリテラシーを高めることです。また、カリキュラムを通して受講者の中から素養がある社員、情報感度が高い社員を発見して、その社員に対してはデジタル人材としての育成を継続しようと考えています。
全体のITリテラシー底上げを図りつつも、適性のある層にはさらに教育をするという二軸で進めていきたいと考えています。
笠原:
学習を進める中で、DX人材としての適性があるな。というポイントはどの部分を見ていらっしゃるのでしょうか。
宮平様:
弊社で、ある程度ITに詳しい社員は、「〇〇チームの〇〇さんって、VBA作れるよね」というように名前があげられるんです。しかし、研修の最終的なアウトプットを見たときに、それこそ入社して3年目の若手社員が「こういう視点で業務の課題感を捉えているんだ」、「その課題をこういうふうに解決するっていう目線を持っているんだ」など、良い意味で意外な改善案がたくさんあがって純粋に嬉しかったです。
「ここはわからなかったので、チーム長に確認したんです」とか、アウトプット作成時にもコミュニケーションを取り、きちんとしたものを作り上げようとしてくれたのだという姿勢も垣間見ることができ、真剣に取り組んでいただけたのは本当に嬉しくて。そのような発見が今回の研修でたくさん見つかったと思います。
德田様:
わからなくても自発的に行動できる社員の存在はありがたいなと思いました。普段から信頼関係ができているからこそ、コミュニケーションが取れているのだと感じました。
宮平様:
一方で、過去の経験が邪魔をして柔軟な思考に至らないケースもありますね。
若手社員からの素直な改善案は、それを見た我々も初心に戻った気持ちになれました。改善にはある程度の業務経験が必要ですが、経験が長いから良い改善案を出せるわけでもないというのは大きな気づきでした。
笠原:
とてもポジティブなフィードバックをいただけて嬉しいです。
まさに、DXpassが組織内のDX人材の発掘に適したサービスだったのですね。
DXpass導入の決め手とは
笠原:
DXpass導入の決め手についてお伺いできますでしょうか。
宮平様:
德田からもありました通り、「社員のITリテラシーを高める」という弊社の目的に対して、伴走型で支援を頂けるDxpassのカリキュラムがうまくフィットしたことが大きな決め手となりました。
DXpassの受講者を全社員にするか、選抜制にするかという議論もありました。選抜の場合、比較的ITに強そうな社員がピックアップされる傾向にあると思うのですが、管理者や事務局から見えていないところにこそ、適性のある社員がいるのではないかという意見もありまして、それならば適性がある社員を見出し、さらに引き上げていこうということで、全社員に向けた研修を実施しました。
そうすると見事に適性を発揮する社員がいたので、今になってみると選抜制じゃなく全社員で研修を実施したのは、非常に意味があることだったんだなと思います。
当時、私も「全社員対象にするって大変じゃない」というのが正直な気持ちとしてありました。「本当に、やるんですか」と思いましたが、結果的には良かったと思います。各チームの管理者には業務調整の負担をかけてしまっているので、対応してくれたことに感謝しています。
笠原:
他社さんだと、一部の選抜メンバーで受講されるスタイルをとる企業様が多くいる印象です。その中で、全社的に取り組むことで、今後の人員配置などで役立ちそうな部分はありますでしょうか?
德田様:
それは本当にこれからになるかなと思っています。
もちろん、DX人材としての素養がある社員というのはでてきてはいるものの、本人のキャリアプランや、現在所属している部署との兼ね合いなどの調整も入ってくると思っています。ただ、せっかく見出した素養をそのままにしておくのは本人のためにも会社のためにもならないので、方向性を提示する必要はあると思っています。
宮平様:
現在、RPA・VBAの開発は、IT企画部メインで取り組んでいますが、先ほど申し上げたようにPDCAサイクルのスピードアップを図るため、現場で開発できる人材を増やしていきたいと考えています。
また、事業部ごとに業務改善を実行するプロジェクトがすでにいくつか立ち上がっているので、そこにアサインをして芽のある若手社員に経験を積んでもらうなど、今回の研修の結果を反映した人材配置を考えています。
笠原:
学習された後に意識が変わったなという方は、実際現場でいらっしゃったりしますか?
宮平様:
最後の修了式で、いいアウトプットを出してくれた何名かは、役員や受講生の前で発表してもらいました。コメントなどをもらって少なからずモチベーションが上がったと思います。
研修が終わった後に、ほったらかしだとそれこそ意味がないので、得た知識をブラッシュアップ・維持する機会をどのように会社で準備するかは今後の課題だと思います。
笠原:
DXpassを受講した感想や、受講後の変化についてお聞かせください。
德田様:
私から見た変化ですと、業務の可視化を通して、自身の業務への理解度が深まったのではと感じています。ワークを通して業務改善に対する意識というか、「思ったよりも業務改善をするハードルは高くないかも」という感覚を掴めたのは、大きな収穫だったと感じています。
DX人材育成を通して目指す組織像とは
笠原:
DXpassの受講を経た今、組織として今後目指したい姿とはどのようなものでしょうか。
宮平様:
現場主導で業務改善のPDCAサイクルが回せる組織に変革するために、引き続き社員全体のスキル底上げに取り組んでいきたいと考えています。
また現在、社内の業務改善に加え、オリックスのグループ会社の業務を可視化して改善の提案をする取り組みを行っています。そこでITの視点も入れた上での改善策をセットで提案して、RPAの開発から保守までを一気通貫で実施して、グループ全体の生産性向上に寄与することができればと考えています。
德田様:
宮平が述べたように、当社はさらに「圧倒的なオペレーションの優位性」を目指し、専門性や付加価値の高い業務領域の対応にチャレンジしていきたいと考えています。そのためにも、社員のデジタルに適応する能力を引き上げることが重要になると考えています。次世代を担う人材、専門性の高い人材の育成に注力していきます。
DXpassをご検討されているみなさまへ
笠原:
今後DXpassの受講を検討している企業の方へのメッセージをお願いします。
宮平様:
学習コンテンツは昨今非常に多く存在します。また、最新のソリューションについての知識も、検索すればたくさんヒットします。知識を得るという目的であれば十分こと足りますが、その中でのDXpassの強みは、RPAテクノロジーズ様の伴走支援と、ワークの中で実際に手を動かして、フィードバックをいただけるところだと思います。
また、レビューを通して、私たちが取り組んでいることが評価されることで、納得感が得られたことも受講をおすすめできるポイントだと思います。
德田様:
自分で手を動かして考えるというワークは、知識をただインプットするよりも定着しますし、考える力も身につきます。
また、コンテンツをただ消化するだけでなく、ワークショップや伴走支援を通して、伴走してくださる方々が、最終的にフィードバックをしてくれるという、一方通行ではないサービスという点も他とは異なると感じます。
宮平様:
和田さんと宮森さんにお越しいただいて、オリエンテーションでご説明いただきましたし、チャットや提出物への添削、さらに面談までフォローアップいただきました。弊社としては、ここまで手厚くサポートをいただく研修というのは今までにありませんでした。
オペレーション現場にいるスタッフは、他社さんと接する機会がないので、そういった意味でもフィードバックなどを通して刺激を受ける良い研修だったのではないかなと思います。
笠原:
ありがとうございます。
DXpassを初めて導入いただいたお客様として、サービスについて色々とお伺いさせていただきました。DXpassの前身となるサービス段階での導入ということで、カリキュラムの組み立ての部分からまさに二人三脚でご協力いただき、本当にありがとうございました。
学習コンテンツが終了された受講者様も、今後はコミュニティでの情報発信や、引き続き継続学習に取り組んで頂けると幸いです。
改めまして本日はありがとうございました。
DXpassのサービス資料のダウンロードはこちらから
https://rpat.tms-movie.com/inquiry/catalog/?p=dxpass
また、DXpassの導入前にDX適正診断を実際にご体験いただくことも可能です。
トライアルプランの詳細は下記よりご連絡ください。診断をご希望の方は下記トライアルよりお申し込みいただけます。
https://rpat.tms-movie.com/inquiry/trial/?pdct=dxpass
※1社2名までの受験可能です
※提供時期や、カスタマイズにより、一部サービス内容が異なる場合がございます
関連記事
関連記事はまだありません。