BizRobo! mini
Highlight
- 費用と機能のバランスや他のデジタルツールとの相性の良さからBizRobo! miniを導入
- 負担の大きい単純作業をRPA化、労働時間が削減し、全体の生産性が1.5倍に向上
- ノー残業デーが週1日から3日に増加。残業代がなくなった分を基本給へ反映し実質的な昇給に
企業の給与計算や従業員の入退社時の手続き、行政との公文書の手続きなど、総合的な労務管理のサポートを行う社会保険労務士法人綜合経営労務センター。同社は2017年から3年ほどかけてRPAツールを検討していたが、機能と価格、操作性のバランスが適したRPAに出会えず、二の足を踏んでいたという。そんな時、BizRobo!パートナーのシースリーインデックス社のセミナーでBizRobo! miniを知る。費用とパフォーマンスのバランスが取れていたこと、他のデジタルツールに対応する汎用性の高さ、操作が難しすぎないことなどを理由に導入を決定した。単純作業で労務士としてのスキルが得にくい公文書の取得業務から導入し、少しずつ
ロボットの業務範囲を広げた。職員が単純作業から解放され、これまで週1日だっ
たノー残業デーが週3日に。さらに、残業代の減少分は基本給を上乗せし対応した
ことで、職員からも好評だ。また、効率的に作業できることで、これまでは現場
の社員が負担に感じていた大規模な業務を前向きに受けてもらえるようになるな
ど、社内の雰囲気が変わりつつある。
導入背景単純作業が多く、職員の労働時間をコントロールできない状況の打開策にRPAを検討
働き方改革の一環として、代表みずから3年かけて情報収集
綜合経営労務センターでは2020年の夏からBizRobo! miniを利用している。同社では誰でもできる単純作業に職員の時間が取られていることや、勤続年数の短い職員が単純作業に終始することで経験値が貯まらず成長できない点に課題を感じていた。また、労務士の業務は年に一度行われる労働保険の更新など、特定の時期に膨大な作業が集中し、非常に多忙になることがある。加えて業務が担当制のため、特定の社員に作業が偏ってしまうといった課題もあった。
導入を主導したのは代表の藤田直樹氏。自らアンテナを張って情報収集し、RPAの検討に3年近い時間をかけた。「社員が多くの時間を取られている単純作業や繰り返し作業を合理化し生産性を上げる解決策に、RPAが適していると考えました。働き方改革の一環としてロボットを活用することで、職員が自由に自分の時間を使えて、生活を充実させることができる環境を作りたいという思いがありました」(藤田氏)
BizRobo!を 選んだ理由他システムとの相性や費用とパフォーマンスのバランスを評価
操作が直感的で扱いやすいことを重視
3年に及ぶRPA選定期間では、4つのRPAツールを比較した。同社が導入を検討しはじめた2017年は、まだ世間にRPAが浸透しておらず、高価なものや操作が難しいものが多かったという。「安ければ納得できるRPAは見つからないし、高くてハイスペックなものでは社内への浸透が難しい。なかなか最適なものが見つからず、今は背伸びして導入するタイミングではないのかもしれないと考えながらツールを探していました」と藤田氏。
BizRobo!を知ったのはBizRobo!パートナーのシースリーインデックスが2020年に開催したセミナーがきっかけ。kintoneをはじめ現在利用している他システムと対応する汎用性の高さや、操作に必要な技術レベルが高過ぎないこと、費用とパフォーマンスのバランスなどを評価し導入を決定した。開発主担当で導入にも関わっていた森本晃太氏は、「高性能を謳うほかのRPAよりも操作が直感的で、扱いやすいと感じた」と語る。その後は職員向けの勉強会を開いてBizRobo!でできる業務への理解を深めた。導入資金には補助金も活用。補助金申請の期間も含めて半年ほどで導入に至った。現在は1台のBizRobo! miniを利用しており、細かなものを含めると10体以上のロボットが稼働している。
対象業務頻度の高い公文書取得業務をRPA化。作業時間が20分の1に削減
経験値が得られない単純作業にロボットを活用し、職員の負担を軽減
導入後、最初に作成したのは公文書を取得するロボット。作業は「①受信した公文書を電子申請システムからダウンロード」「②ファイルに名前をつけ、自社サーバの振り分けられたフォルダへ保存」「③データをレポート化」「④印刷し発送」というプロセスで、このうち①〜③までをBizRobo!が代替している(図1)。人力では1件に10分ほどかかっていたが、RPA導入で作業時間が約20分の1に短縮した。「公文書の取得は大量の反復処理をする必要がある作業で、覚えることが多いわりに労務士としての経験値が得られない。職員にとってもストレスが大きく、そのためRPA化の優先順位が高かった」(藤田氏)
さらにRPA導入と並行して顧問先のクラウド型人事労務ソフト利用を進めてシステム上でのデータ共有を可能にし、これまで印刷・郵送で対応していた④をシステム上での送付に変更していった。郵送対応の減少により印刷費・通信費の削減につながり、コピー機も1台減らせた。
この他には、求人情報を集約するロボットも稼働中。地域や職種ごとの求人相場の問い合わせがあった際に利用するもので、これまで1件あたり5分ほどかかっていた転記・データの加工作業が20秒ほどで完了するようになり、大幅な効率化を実現した。
(図1)受信した公文書を、電子申請システムからダウンロードし自社サーバへ保存するロボット
導入効果BizRobo!導入によりノー残業デーが週1日から週3日に
RPA前提に社内の意識が変化。余裕が生まれ、仕事に前向きな空気が浸透
BizRobo!の導入により、これまでは週に1日だったノー残業デーが週3日に増えた。また、社員が単純作業から解放され、後回しになっていた別の業務への注力や、より丁寧なお客様対応ができるように。労働時間が減った一方で全体の業務量は1.5倍に増加しており、生産性が大幅に向上していることがうかがえる。
社内の雰囲気も変わりつつある。これまでは新規の仕事が多くあると現場から嫌な顔をされることもあったそうだが、現在は「RPAを活用する前提なのでできます」と前向きに受けてもらえるようになった。また、仕事の進め方を考える習慣が定着したことで効率化の意識が高まったほか、余裕が生まれたことで他部門をフォローしたり、新たな知識習得に意欲を示したりする動きも増えてきたという。
ノー残業デーが増えたことによる給与面での影響だが、これには基本給を見直すことで対応している。残業代はなくなったが事実上の昇給となり、職員からも好評だという。
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CORPORATE PROFILE
- 社名
- 社会保険労務士法人 綜合経営労務センター
- 事業内容
- 給与計算や従業員の入退社時の手続きなど労務管理のサポート
- ウェブサイト
- https://www.jinji-roumu-consul.com/
- 話を伺った方
- 代表 藤田 直樹 氏など
- ここまでの内容に加えて下記を追加
「今後について」
「現場の声」 - 印刷用PDF(フルカラー)4ページ